地味にがんばる薬局薬剤師の日記

調剤薬局での患者さんからの質問などを中心に、薬や健康食品などの情報をお伝えします。

タケキャブとタケプロンの違い

タケキャブとタケプロンは、いずれもプロトンポンプインヒビター(PPI)と言う種類の胃薬です。

ただし、タケキャブは、従来のPPIとは違い、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と言う分類です。

タケプロンは効果発現に、3~5日かかりますが、タケキャブは3時間で効果が発現します。患者さんにとっても、短時間で効果を実感しやすいといえるでしょう。タケキャブは、酸による活性化を必要としないこと、また酸に安定であると言うことから、効果発現も早いと考えられています。

ピロリ除菌においても、胃酸の作用により、抗生剤の作用が弱くなるのを防ぎます。効果がより強まり、タケプロンが7割の除菌率に対し、タケキャブでは9割以上となっています。二次除菌の成功率も合わせると、99.9%の除菌率となっています。

逆流性食道炎(GERD)の治療期間は、PPIで8週間に対し、通常4週間で大丈夫です。

Step down therapyというのは、効果の強い薬をずっと使うのではなく、緩やかな薬に切り替えると言うことです。入院時、または最初の2週間は確実な効果を得るため、タケキャブを使用して、その後、その他のPPIや胃薬を使用すると言う方法もあります。

タケキャブはCYP3A4の阻害剤ですが、クラリスロマイシンとの併用は問題がありません。逆流性食道炎のロサンゼルス分類で、重症のグレードC、Dでは5割以上治癒していませんでしたが、タケキャブはその治療にも効果が期待できます。粉砕後、遮光保存、40℃暗所で3ヶ月保管可能。主薬には苦味があります。

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