地味にがんばる薬局薬剤師の日記

調剤薬局での患者さんからの質問などを中心に、薬や健康食品などの情報をお伝えします。

SGLT2阻害薬によって影響される検査値について

SGLT2阻害薬によって影響されるのは、血清1,5ーアンヒドログルシトール(1,5ーAG)です。

 

SGLT2阻害薬は、グルコースの再吸収を阻害して、余分な糖を積極的に尿中に排泄して、血液中の糖を減らすことで、HbA1cや血糖値は改善します。

しかし、1,5AGの構造が、グルコースに似ているため、1,5AGも尿中に排出されます。このために、血清1,5AGの濃度は低下して、見かけ上は、糖尿病が悪化している状態になります。(αーグルコシダーゼ阻害薬も1、5-AGに影響を与えます。)

また、尿糖も増加することから、尿検査において、尿糖の陽性反応が高くなる可能性もあるが、薬理作用としては正常であると考えられます。

SGLT2は脱水を起こしやすくなるため、こまめに水分が必要となりますが、糖分をなるべく含まない水分を補給するようにお伝えすることも大切です。

HbA1cは、血糖のコントロールの状況を確認する上で重視される指標です。

患者さんの過去1~2か月間の平均血糖値を反映する指標で、1人の患者さんにおける値のバラつきが少なく、血糖のコントロール状況を把握しやすいです。

HbA1cでは、血糖値の日内変動は把握できないので、グリコアルブミン(GA、基準値11~16%)、血清1、5-アンヒドログルシトール(1,5-AG、基準値14.0㎍/mL以上)も用います。

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