地味にがんばる薬局薬剤師の日記

調剤薬局での患者さんからの質問などを中心に、薬や健康食品などの情報をお伝えします。

2018-01-01から1年間の記事一覧

オングリザ錠(サキサグリプチン)

【効能効果】 2型糖尿病 【用法・用量】 通常、5mg1日1回投与します。中等度以上の腎機能障害患者では、排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するため、2.5mgに減量します。 【オングリザの特徴】 *DPP4と強固かつ持続的に共有結合します。…

ベルソムラ(スボレキサント)について

ベルソムラは、オレシキン受容体拮抗薬となっており、ベンゾジアゼピン系が眠りを強くする方向に働くのに対して、 ベルソムラでは過剰に働いている覚醒システムを抑制します。 ベンゾジアゼピン系がアルツハイマー発症のリスクを1.5倍あげるような報告もあり…

ジオトリフについて

【ジオトリフの特性について】 ●不可逆的なErbBファミリー阻害剤 イレッサ、タルセバと似た骨格を持ちますが、不増悪生存期間がそれらに比べて長いです。 →不可逆的に阻害するため、上皮細胞への影響も強く、皮膚に対する有害作用も出やすくなります。 …

アクテムラについて

●関節リウマチについて 女性に多く、30~50歳代で発症することが多いです。 自己免疫疾患(免疫システムに何らかの異常をきたして、自分自身に攻撃してしまうために炎症がおこる病気)のひとつです。長期間にわたって炎症がつづくと関節が破壊され、変形…

11歳から使用できる便秘薬

コーラックファーストは、成人1日量の4錠中、刺激性下剤のビサコジル10mg、そして湿潤性下剤のジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)32mgを含んでいます。 コーラック、コーラックⅡのビサコジル含量が1錠あたり5mgなのですが、コー…

大黄甘草湯について

便秘とは、一般に3、4日便が出なかったり、または、便が出ても、残便感があるという状態のことをいいます。 2,3日に一度の排便であっても、定期的にお通じがあれば、便秘ではないとされます。毎日排便がないから便秘というわけではありません。 基本は…

OTC ステロイド外用剤について mediumランクの塗り薬

ステロイド外用剤は、炎症を抑える作用の強弱によって、strongest, very strong,strong,medium,weakの5段階に分類されていますが、OTC薬では、そのうちのstrong,medium,weakが使用されています。 OTC薬で市販されているプレドニゾロン吉草酸エステル…

なかなか寝付きが悪くて眠れません…。

眠れない症状としては、大きく4つに分けられます。 ①なかなか寝付けず、眠るまでに1時間くらいはかかる。 ②夜中に目が覚めて眠れず、何度も起きる。 ③明け方に目が覚めてしまい、それから眠れない。 ④熟睡することができない。 眠れない原因として考えられる…

処方してもらえる湿布の枚数って制限あるんですか?

「ロコモテープとモーラステープテープ、合わせて70枚しかもらえません。これ以上、処方できないと言われましたが、どうしてですか?」 保険の決まりで、一回に処方できる湿布の枚数は70枚以下となっています。違う成分の湿布であっても、合わせて70枚です。…

即効型インスリン分泌薬の強さの比較について

「ヘモグロビンA1Cが高くて、もともとグルファストを使っていましたが、もうすこし強い薬に変更しておきますねといわれました。今回、シュアポストという薬になりましたが、前の薬より作用が強いのでしょうか?」 グルファスト、シュアポストともに、即効…

ロコイド軟膏の市販薬はありますか?

ロコイド軟膏の成分は、ヒドロコルチゾン酪酸エステルです。 Medium(普通)ランクに分類されるステロイド外用剤です。 市販では、セロナ軟膏などがあります。 日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場 【第(2)類医薬品】【セルフメディケ…

SGLT2阻害薬によって影響される検査値について

SGLT2阻害薬によって影響されるのは、血清1,5ーアンヒドログルシトール(1,5ーAG)です。 SGLT2阻害薬は、グルコースの再吸収を阻害して、余分な糖を積極的に尿中に排泄して、血液中の糖を減らすことで、HbA1cや血糖値は改善します。…

大腸メラノーシスとは?

センナ、大黄、アロエなどのアントラキノン系下剤の長期連用により、大腸の粘膜が淡褐色から黒褐色になるものです。 これは、メラニン用色素が、マクロファージに貪食されることによるものです。 長期連用による変化は、粘膜の変化だけでなく、便秘状態をさ…

グーフィス錠はどうやって効くんですか?

グーフィス錠の有効成分は、エロビキシバット水和物です。 胆汁酸トランスポーター阻害剤といわれます。 大腸に流入した胆汁酸により、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用で排便を促します。 作用の仕方としては、胆汁酸の再吸収を抑制して、大腸の中に流入…

爪水虫のパルス療法について

爪の水虫はとても治療が困難です。外用薬のみでは、なかなか改善しない場合、内服薬が用いられます。 イトリゾールカプセルは、爪水虫治療のための内服薬の一つですが、パルス療法とよばれる服用方法があります。 1回4カプセルを朝夕食直後に服用します。…

カルニチンとは?

カルニチンとは? その約98%は、骨格筋、心臓などの筋組織に存在しており、脂肪酸を燃焼して、エネルギーに変えるために必要な物質です。 通常、体内のカルニチンは約4分の3は食事からとれます。しかし、残りの4分の1 は、肝臓や腎臓で、必須アミノ酸…

ハイリスク薬における服薬援助について

ハイリスク薬について確認 すべき共通する項目 としては、次のようなものがあります。 ①患者さんに対する処方の内容について 薬の名前、用法用量等の確認 ②服薬される患者さんのアドヒアランス、つまり、患者さんが薬を服用するにあたり、納得して服用をされ…

個別指導備忘録 メトグルコ錠編

メトグルコ錠の添付文書の警告欄に、 重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されている。乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと。〔「禁忌」の項参照〕腎機能障害又は肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合…

個別指導備忘録 ポリフル編

ポリフルの添付文書に、 "①本剤による治療は対症療法である。" "②症状の改善が認められない場合、長期にわたって漫然と使用しないこと(通常2週間)" という記載があるため、2週間以上、継続して処方されている場合には、確認が必要であると指摘を受けました。…

個別指導備忘録 ガスモチンについて

ガスモチンは通常2週間以上を投与されている場合、疑義照会が必要です。 添付文書の重要な基本的注意のところで、"①本剤を慢性胃炎に伴う消化器症状に用いる際には、一定期間(通常2週間)投与後、消化器症状の改善について評価し、投与継続の必要性について検…

サルコペニアって何?

あなたは、段差もないのにつまずいたり転んだりする事はありませんか? サルコペニアは、加齢、病気、運動不足や食生活の乱れなどが原因で、筋肉量が減少して、筋力や身体の機能が低下した状態をいいます。 通常、筋肉量や筋力等の機能は、20代をピークに低下…

タケキャブとタケプロンの違い

タケキャブとタケプロンは、いずれもプロトンポンプインヒビター(PPI)と言う種類の胃薬です。 ただし、タケキャブは、従来のPPIとは違い、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と言う分類です。 タケプロンは効果発現に、3~5日かかりますが…

プラノバールをアフターピルとして服用できるのですか?

保険の適応外の処方となるため、自費となります。薬局で市販されているものではなく、婦人科の受診が必要となります。アフターピル、緊急避妊ピルとして服用する場合には、一般的にヤッペ法という服用方法があります。性交後、72時間以内に1回に2錠を服…

個別指導備忘録 外用薬編

外用薬の処方の際、処方箋には部位の記載が必要ですが、医師の指示通りとか、部位の記載がない場合があります。 または、記載があっても、体幹とか患部といった漠然とした記載がされている場合があります。これらは、完全にアウトです。これを見逃して、疑義…

個別指導備忘録 ビタミン編

ビタミン剤が処方されている場合、投与されている日数に注意をしなければなりません。 添付文書上に、“効果がないのに月余にわたって漫然と投与すべきでない”という1文があるのです。そのため、効果が出ているかどうかはっきりしないのに1ヵ月以上、ビタミ…

個別指導備忘録 漢方薬編

漢方薬は、添付文書上での用法が、食間もしくは食前に限定されています。 しかし、食間や食前では飲み忘れをすることが多い場合、コンプライアンスを優先し、食後で処方される場合もあります。うちの近くの病院では、ほぼ全例と言っていいほど、食後での服用…

個別指導備忘録 調剤録編

薬局の個別指導において指摘された事項についての覚え書き。 うちの薬局では、調剤録はA5の紙に印刷をして、処方箋の裏側に糊付けをして、処方箋と一緒に3年間保管しています。しかし、処方箋に、調剤録をのり付けする際に、ベターっと全面に糊付けをしては…

熱中症について

熱中症は、高温多湿の環境に、私たちの体が適応できないことで生じる、さまざまな症状の総称です。 熱中症の症状には、まず、めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返り、大量の汗があります。もっとひどくなると、頭痛、吐き気、体がだるいなどの症状が現れま…

マクロライド系抗生物質について

細菌のたんぱく質合成を阻害します。 マクロライドは、製剤的に工夫されているものの、もともとの苦味が強いため、酸性の飲み物と混ぜた場合や、口の中のPHが低い人では、そのコーティングが剥がれて服用後に苦味を感じることがあります。 通常抗菌剤の処方…

医薬品と健康食品

まず原則として日本人が飲食するものは、次の2つに区分されます。 1. 食品(特定保健用食品を含む)2. 医薬品(医薬部外品を含む) の2つです。 食品と医薬品との違いは、はっきりとしています。治療を目的として、莫大な費用と時間、人員を掛けて、治…