ベルソムラ（スボレキサント）について
ベルソムラは、オレシキン受容体拮抗薬となっており、ベンゾジアゼピン系が眠りを強くする方向に働くのに対して、 ベルソムラでは過剰に働いている覚醒システムを抑制します。
ベンゾジアゼピン系がアルツハイマー発症のリスクを1.5倍あげるような報告もあり、オレキシン受容体拮抗薬は注目されています。
日本では欧米に比べて、ベンゾジアゼピンの使用率が高いです。
Ｄｒによってはナルコレプシー、カタプレキシーを起こす可能性があると否定的な意見をもつ方もあるが、Doseupしても、起こらないとされています。
寝つきの良さはロゼレムより早く、ベンゾジアゼピンに近いが、いつの間にか寝ているという効き方です。
ベンゾジアゼピンのように、薬が効いたという効果の表れ方ではないので、物足りなく感じる人もあります。
薬の服用においては、起きる時間の６～８時間前に服用すること。日中まで眠気が残るという訴えをされる方の中に、服用するのが遅い場合があります。
反跳性不眠はあまり出ません。いつやめるのか目標を持って睡眠
治療を行うことが大切です。
薬の作用からも筋弛緩作用はありません。
悪夢の副作用においては、変な夢というのも含まれるため、うなされるような悪夢をさすとは限りません。その対処法としては、服用中止するしかありません。
禁忌はＣＹＰ３Ａ４を強く阻害するイトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、テラプレビル、ボリコナゾール。
欧米では５ｍｇから低い用量の販売もあるが、厚労省は有意差がつく用量からしか認めないため、１５ｍｇ、２０ｍｇの販売。
Ｄｒによっては高齢者でなくても１５ｍｇで処方する場合もあります。
もともとは、やせ薬としての効果を期待されたが、その効果はあまり期待できず、覚醒スイッチのオンオフに関わることが分かりました。食事の影響によりＴｍａｘが遅延するため、食事と同時、食直後の服用は避けましょう。
他の睡眠薬から切り替える場合は、前薬を突然中止すると、反跳性不眠や退薬症候が発現する可能性あるため、前薬を徐々に減量しながらベルソムラを始める方法や、前薬減量後に ベルソムラを開始する方法があります。
ベンゾジアゼピンでは寝付くときの感覚が異なること、一時的に不眠
が悪化する可能性があることを知っておく必要があります。
徐々に切り替える場合、１、２週間かけるため、それが面倒といわれるケースもあります。
反跳性不眠が起こってしまった場合、前薬をまた使用することとなってしまいます。
なるべく、初めて睡眠薬を使用する方が使用されることが望ましいと思われます。
