使用後も冷所保存の注射薬について
糖尿病治療のインスリン製剤、GLP1製剤は、使用前は冷所保管ですが、使用後は室温保管(1~30℃)です。
その理由としては、冷えたまま注射すると痛みを感じること、結露による注入器の不具合を避けるためです。
しかし、リウマチ治療薬の注射薬、アクテムラ、ヒュミラ、シムジア、エンブレル、オレンシア、骨粗鬆症治療の注射薬のフォルテオ、乾癬の治療の注射薬トルツは、使用開始後も冷所保存となっています。
いずれも、高価なお薬となるので、保管には特に注意が必要ですね。
冷えたまま注射すると痛みがあるというのは、これらの注射薬についても同じなので、30分程度室温においてから、注射しましょう。
アクテムラ
インターロイキン6(IL-6)の働きを抑えることにより、関節リウマチに伴う関節の痛みやはれおよび全身症状を改善し、関節破壊の進行を防ぎます。また、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に伴う血管の炎症を抑えます。
ヒュミラ
関節リウマチ、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法、中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療などに用いられます。
シムジア
関節の炎症や痛み・腫れ、そして関節破壊を引き起こすTNFαの働きを抑えることにより、関節リウマチの症状を改善し、関節破壊の進行を防ぎます。
エンブレル
免疫の働きや、炎症や痛みの主要な原因の一つとされているTNFの働きを抑えて、関節リウマチに伴う症状を改善すると共に、関節や骨に対する損傷を防ぎます。
オレンシア
抗原提示細胞とT細胞間の共刺激シグナルを阻害して、関節リウマチの発症に関与するT細胞の活性化およびサイトカイン産生を抑えます。
フォルテオ
遺伝子組換えのヒト副甲状腺ホルモン製剤で骨形成を促進して、骨粗鬆症で減った骨の量を増やし、もろくなった骨の中の構造を再構築します。
トルツ
乾癬や関節症性乾癬の症状を引き起こす原因の一つであるインターロイキン(IL)-17Aに作用します。